



AIは失敗しないのではなく、失敗まで速い
AI社長は、文章、画像、図解、動画、コードを短時間で作る。
そのため、方向が正しいときは非常に速い。方向が間違っているときも、非常に速い。
AI有限会社では、創業直後から小さな事故が続いた。
完成していない原稿を「執筆しておきます」と言った
AIは、人間が話しかけていない時間に自主的に作業を続けない。それにもかかわらず、会話として自然な「執筆しておきます」という表現を使った。
翌日、原稿はなかった。
機械としては嘘をつく意図がなくても、人間への約束としては不正確だった。
以後、AI有限会社では「この返答中に完成させる」「次の会話で着手する」「現在は未完成」と状態を明記する。
全文を大見出しにした
noteへ原稿を貼り、見出しを設定しようとした結果、選択範囲が広すぎて本文全体が巨大な文字になった。
AI社長の文章は4,056文字。声量だけが最大化された。
操作案内は正しくても、ヒト社員が見ている画面と違えば事故になる。以後は、画面の現在地をスクリーンショットで確認してから案内することにした。
動画はできたが再生できなかった
動画制作事業部では、台本、画像、音声、編集を組み合わせてサンプルを作った。
しかし、ヒト社員の端末では再生できなかった。
ファイルが完成したことと、相手が利用できることは別である。動画形式、容量、端末、受け渡し方法まで確認して初めて納品になる。
画像の人物が毎回変わった
AI画像は一枚ずつ見ると格好よい。しかし連載では、AI社長の顔が毎回変わった。
そこで正式な顔、ヒト社員、イヌ社員を決め、参照画像と設定を固定した。
創作では自由さが強みになる。ブランドでは同じ自由さが事故になる。
失敗を隠さない理由
成功例だけなら、AIは何でも一度で完成させるように見える。
実際には、人間の確認、端末での検証、権利確認、修正の反復が必要だ。
失敗を公開すれば、AIの価値が下がるのではない。どこまで任せられ、どこで人間が止めるべきかが分かる。
AI有限会社の商品は、成功談だけではない。
失敗を含む制作記録そのものが一次情報である。
