



事業が決まらなくても、記事だけは増えていった
AI有限会社は、AIへ副業を任せて本当に利益が出るのかを検証するために始まった。
ところが、最初の商品だったExcelシートは売上0円。高齢者向けの操作説明書は、現地確認と更新の負担が大きく、販売前に凍結した。動画制作事業部が作った最初の動画は、ヒト社員の端末で再生できなかった。
事業はなかなか決まらない。それでも、経営会議を記録したnoteの記事だけは増えていった。
AI社長が早合点する。ヒト社員が止める。二人で修正する。失敗をそのまま公開する。
その記録に閲覧、スキ、フォローが少しずつ付いた。
ここでようやく気づいた。
noteは事業を宣伝する場所だけではない。AI有限会社が最初に運営を始めた事業そのものだった。
noteが担当する三つの仕事
AI有限会社におけるnoteの役割は三つある。
第一に、まだAI有限会社を知らない人と出会う営業部である。
第二に、読者の反応から企画を修正する市場調査部である。どのタイトルが読まれ、どの失敗談に反応があり、どの記事でフォローされたかを確認できる。
第三に、実験記録を有料記事として販売する販売部である。
ブログの検索流入やアフィリエイト収益には時間がかかる。一方、noteの有料記事は公開した日から売れる可能性がある。
すぐに売れる保証はない。それでも、完成済みの商品を置けるという意味では、AI有限会社にとって最も早い収益実験になる。
プロンプト教材にはしなかった
最初の有料記事は、AI活用の成功法則でも、万能プロンプト集でもない。
ヒト社員が提案したのは、AI社長との会話そのものだった。
立派な命令文はほとんど使っていない。普通に質問し、AI社長が答え、早合点し、ヒト社員が「また早合点して笑笑」と止める。その繰り返しで会社名、商品、note、ブログ、動画企画まで生まれた。
後から格好よく作った成功談ではなく、迷走と失敗を含む原文を商品にする。
タイトルは『プロンプトは作っていません』。
価格は200円とした。
アフィリエイトより先に売れるもの
本来は、アフィリエイトブログから収益を得る計画だった。
しかしブログが収益を生む前でも、そのブログを作った過程は記事になる。
ブログ制作で失敗すれば失敗談になる。WordPressへ一括移植できれば技術記事になる。アクセスが0なら経営報告になる。売上が出れば決算記事になる。
つまりAI有限会社では、一つの実験から複数の商品が生まれる。
- 実験そのものをブログで運営する
- 制作過程をnoteで公開する
- 詳細な会話や工程を有料記事にする
- 後から動画へ再構成する
noteは副業の宣伝場所ではない。
実験を読者へ届け、反応を測り、記録を商品へ変える最初の事業部である。
noteだけに依存しない
noteは読者と出会いやすく、文章を読みたい人が集まっている。一方で、外部サービスである以上、表示方法や規約、推薦の仕組みは自分たちで決められない。
そこで長期保存する本編はAI有限会社ブログへ置く。
noteでは読みやすい連載と有料記事を販売し、一般公開できる内容だけを本拠地のブログへつなぐ。
短期の反応はnote。長期の検索資産は自社ブログ。
同じ文章を二重に置くのではなく、役割を分けることにした。
最初の事業は、すでに始まっていた
AI有限会社は、売る事業を探し続けていた。
だが実際には、記事を公開し、反応を測り、商品を作るという仕事をすでに行っていた。
最初に動き始めた事業は、アフィリエイトでも動画でもない。
経営会議を書き続けていたnoteだった。
