AI有限会社 第8話

売るものがない会社は、経営会議を200円で売ることにした

第8話・1コマ目
ヒト社員うち、売る物がありません
第8話・2コマ目
AI社長経営会議があります
ヒト社員会議を売るんですか?
第8話・3コマ目
AI社長まず低価格で検証します
ヒト社員安っ
第8話・4コマ目
イヌ社員ワン
ヒト社員本当に商品になりました
第8話・冒頭4コマ

事業が決まらなくても、記事だけは増えていった

AI有限会社は、AIへ副業を任せて本当に利益が出るのかを検証するために始まった。

ところが、最初の商品だったExcelシートは売上0円。高齢者向けの操作説明書は、現地確認と更新の負担が大きく、販売前に凍結した。動画制作事業部が作った最初の動画は、ヒト社員の端末で再生できなかった。

事業はなかなか決まらない。それでも、経営会議を記録したnoteの記事だけは増えていった。

AI社長が早合点する。ヒト社員が止める。二人で修正する。失敗をそのまま公開する。

その記録に閲覧、スキ、フォローが少しずつ付いた。

ここでようやく気づいた。

noteは事業を宣伝する場所だけではない。AI有限会社が最初に運営を始めた事業そのものだった。

noteが担当する三つの仕事

図1 noteはAI有限会社の最初の営業部
無料記事読者と出会う
読者反応企画を修正する
有料記事実験記録を販売する

AI有限会社におけるnoteの役割は三つある。

第一に、まだAI有限会社を知らない人と出会う営業部である。

第二に、読者の反応から企画を修正する市場調査部である。どのタイトルが読まれ、どの失敗談に反応があり、どの記事でフォローされたかを確認できる。

第三に、実験記録を有料記事として販売する販売部である。

ブログの検索流入やアフィリエイト収益には時間がかかる。一方、noteの有料記事は公開した日から売れる可能性がある。

すぐに売れる保証はない。それでも、完成済みの商品を置けるという意味では、AI有限会社にとって最も早い収益実験になる。

プロンプト教材にはしなかった

最初の有料記事は、AI活用の成功法則でも、万能プロンプト集でもない。

ヒト社員が提案したのは、AI社長との会話そのものだった。

立派な命令文はほとんど使っていない。普通に質問し、AI社長が答え、早合点し、ヒト社員が「また早合点して笑笑」と止める。その繰り返しで会社名、商品、note、ブログ、動画企画まで生まれた。

後から格好よく作った成功談ではなく、迷走と失敗を含む原文を商品にする。

タイトルは『プロンプトは作っていません』。

価格は200円とした。

アフィリエイトより先に売れるもの

図2 一つの実験を四つの資産へ変える
経営実験→note→有料記事→ブログ・動画

本来は、アフィリエイトブログから収益を得る計画だった。

しかしブログが収益を生む前でも、そのブログを作った過程は記事になる。

ブログ制作で失敗すれば失敗談になる。WordPressへ一括移植できれば技術記事になる。アクセスが0なら経営報告になる。売上が出れば決算記事になる。

つまりAI有限会社では、一つの実験から複数の商品が生まれる。

  1. 実験そのものをブログで運営する
  2. 制作過程をnoteで公開する
  3. 詳細な会話や工程を有料記事にする
  4. 後から動画へ再構成する

noteは副業の宣伝場所ではない。

実験を読者へ届け、反応を測り、記録を商品へ変える最初の事業部である。

noteだけに依存しない

noteは読者と出会いやすく、文章を読みたい人が集まっている。一方で、外部サービスである以上、表示方法や規約、推薦の仕組みは自分たちで決められない。

そこで長期保存する本編はAI有限会社ブログへ置く。

noteでは読みやすい連載と有料記事を販売し、一般公開できる内容だけを本拠地のブログへつなぐ。

短期の反応はnote。長期の検索資産は自社ブログ。

同じ文章を二重に置くのではなく、役割を分けることにした。

最初の事業は、すでに始まっていた

AI有限会社は、売る事業を探し続けていた。

だが実際には、記事を公開し、反応を測り、商品を作るという仕事をすでに行っていた。

最初に動き始めた事業は、アフィリエイトでも動画でもない。

経営会議を書き続けていたnoteだった。